花贈り。

バリ島には花を送る習慣がないと聞いていた。

なぜなら、花は神に供えるもの。

実際に一日に何度も花を神に供える風景を日常的に目にする。

花屋さんに飛び込みで行って、HANATABAを束ねる。

そして色々な通りや地元のワルン(食堂)を回りながら、雰囲気のあるカッコの良い人に声をかけて

写真を撮ろうと計画を立てた。

 

通りがかりに花屋さんを見つけたので立ち寄ることにした。

店頭の花の種類はバラが3色と菊が3種類ほど、あとは、針葉樹の枝が1種類。

あまりにも品数が少なすぎて、ここで、花束をつくるか、正直いうと悩んだ。(ただ、これは予約もなにもしていない僕のせいなのでお店の規模や品揃えの問題では一切ない)

お店にはスタッフらしき女の子が3人いた。うち二人は、日本で言うと小中学生にみえる。

もしかすると家族経営で、姉妹なのかな?

僕が、日本のフローリストで、ここで花束を束ねたいとジェスチャーすると、快くテーブルを貸してくれた。

写真の彼女も同じくフローリストなので、僕がやろうとしていることを読み取り、すぐ、隣で僕のアシスタントにつくような動きをしてくれた。

束ねる結束部分より下の葉を全て落としてくれて、手渡してくれる。あっという間にブーケは完成した。

 

当初、このブーケを、もって、他の場所に行って、モデルを探し、撮影しようとおもっていた。

彼女が手際よくアシスタントについてくれたことで、フローリスト同士の言葉のない会話ができたような気がした。

なぜかお礼がしたくなった。

 

「そうだ、この子にこのブーケをプレゼントしよう!」

 

花の支払いを済ませ、このブーケはプレゼントするよ。と伝えると、驚きとともに、満面の笑顔をみせてくれた。

 

バリ島には花を贈る習慣がないって、誰かが言っていた。

「ガセネタじゃん。」

花贈りは世界共通、笑顔を作り出す、一番の方法であると確信した。